【授業参観】お茶目な母親と私
母が少し変な人だな、というより面白い人だなと気づいたのは、まだ私が小学生の低学年だった頃にさかのぼります。
それは、クラスで授業参観があった日の出来事でした。
授業が始まる教室の後ろには、クラスメイトのお父さん、お母さんたちが続々と現れます。
そこに私の母はいないようでした。
授業参観へ来ないとは言っていなかったので、必ずどこかにいるはずと思い、気になって辺りをキョロキョロ見回してみます。
すると、教室内ではなく廊下側から教室の窓を挟んで、こちらを見る母を発見しました。
母は私が見ていることに気づくと、すぐに小さく手を振ってくれました。
それを見た当時の友だちから、
「トナカイちゃんのお母さんって綺麗だね。」
と言われ、すごく嬉しかったことを今でもよく覚えています。
私自身も、母はお世辞抜きで綺麗だと思っているので、とても自慢できる母親でした。
嬉しくなった私が、もう一度母の方を振り返ってみると、先ほどの面影はどこへやら。
全力でこちらに変顔を見せてくる母がいて、私は笑いをこらえるのに必死です。
そんな私の困惑した様子を気にして、友だちが私にどうしたのかと尋ねてきます。
けど、笑うのを我慢する私は上手く答えられず、母の方をこっそり指差しました。
あくまでも授業中なので、目立つ行動をして先生に叱られでもしたら大変ですから。(笑)
私の母を見た友だちは、
「ん?お母さんがどうしたの?」
と、特に面白がる感じではありませんでした。
再度、友だちと一緒に確認してみると、母は何事もなかったかのように、にこやかに手を振ってきます。
ただ、見ているのが私だけだとわかっている時にだけ、母はおかしな顔を私に見せてくるのです。(笑)
あまり授業に集中できないまま、終わりのチャイムがなると、私はすぐに母のもとへ向かいました。
「なんで、変な顔してくるん?」
と、すぐに聞いてみるが、
「えっ?お母さん何かしたっけ?(笑)」
と言い、ただ笑うばかりなのでした。
それから5年後。
妹の授業参観が終わった日の我が家で、
「トナカイちゃん、お母さんが・・・。」
(妹は私のことを“お姉ちゃん”とは呼ばない)
妹よ・・・お前もか!(笑)
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